タイは、なんたってビールがうまい。

タイブランドのビールは、ビアシンことシンハービール、ビアチャーンことチャーンビール、ビアリオ・・・等など。

で、これらを、氷を入れたグラスに注いで、真夏の空の下でカッと飲み干せば、そりゃ、いやでも「かぁ~、うまい!」という声を漏らすに決まっている。確実だ。

タイの魅力の1つはビールといってもいいわけだが、ただ、先日は、タイビールではなく、ドイツビールを呑んだ。

バンコクで美味しくドイツビールが呑める、超巨大ビアホール、”ローンビア・ユーロマーン・タワンデーン”に行ったのだ。



ローンビア・ユーロマーン・タワンデーンは、タワンデーンドイツビール醸造所とでも訳せようか。英語では、TAWANDANG GERMAN BREWERYと表記される。

ドイツビール醸造所という名のとおり、タワンデーンには、巨大な金色のタンクがあって、そこでドイツビールが毎日休むことなく造られている。



ということで、店に入ると、さっそくドイツビールを。「ラガービール」・「ダンケルビール」(黒ビール)・「ワイゼンビール」(フルーティーなビール)の3種類があり、僕らは無難にラガービールを注文。とりあえず、3リットル。

で、ビールを入れたタワーが到着。これを見ると、嫌でもテンションが上がる。胸の高鳴りを抑えつつ、ビールを飲み干す。「かぁ~、うまい!」。



やっぱり言ってしまった。

で、ここは料理もうまい。

ユーロマン・タワンデーンといえば、これ!という”カー・ムー・ユーロマン”(ドイツ風豚足揚げ)を注文。とんでもないボリュームの豚揚げがテーブルに置かれる。



外はカリッカリッで、中はナイフを使う必要性がないくらいやわらかく、ジューシー。旨すぎるでしょ。

でも実は、僕は付け合せのマッシュポテトがお気に入りだ。ふわっふわっだ。

さて、最高のビールとおいしい料理を食べながら、この巨大ビアホールでは、いろいろなショーを堪能できる。伝統芸能あり、タイ風ミュージカルあり、何人かの専属歌手によるコンサートありと盛りだくさん。

コンサートになれば、会場の多くの人々が踊りだす。ビール片手に舞い踊る、そんな会場の雰囲気は圧巻だ。



僕も昔はよくタイ人たちと踊りながらビールを浴びるように呑んだものだが、今回に関しては大人しく、静かにビールを楽しむ。

と思っていたら、隣のテーブルにいたタイ人男性が、「日本人も踊れ~」と、乾杯しながら言ってくる。「いや、いや、今回は静かに呑むんだよ~」と言いながらも、立ち上がって、一応体を動かした自分が憎たらしい。するとタイ人は、「そうだよ。そのノリだ」とワイワイと騒ぎはじめた。

その後もそのタイ人男性は、なんか妙に、絡んでくる。妙に乾杯をしたがり、妙に一気飲みを強要する。

するとそのタイ人男性と一緒に来ていたタイ人女性が「あの人、男の人が好きな、本格派のゲイだから気をつけたほうがいいよ」と僕に助言。

なんか怖くなった。

ビールのうまみが半減したのは、決して気のせいじゃないだろう。




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サイアム駅前に去年7月にオープンしたバンコク・アップルiStudio。

ちょうど前を通りかかったので、軽く覗いてみた。

サイアム駅と2Fで直結しているビルの1FにアップルiStudioはあった。





このビルは、駅のほうからと、逆のサイアムスクエアーやチュラーロンコーン大学側のどちらにも入り口があり、便利な感じ。2Fには、ソニーがあったり、数店のカメラ屋があった。

そして、iStudioへ。

アップルiStudioの店内は、多くの人でにぎわっていた。皆が、展示されているアップルの商品を、実際に手にとって、試していた。

数々のかわいらしい、魅力的なアップル製品があって、僕も手にとって見るが、ちょっと値段をみて、元に戻した。

そのまま、BTS(スカイトレイン)で帰宅した。ラッシュだった。


タイには、スターバックスがかなりある。その数、100店舗以上。

バンコクだけでなく、地方にも見られる。

僕もよく、スターバックスへ行く。
それは、コンピューターを使うためのコンセントがあるというのも一つの理由だが、なんとなく落ち着くというのが一番の理由だろう。



スターバックスを巨大企業に押し上げたハワード・シュルツ『スターバックス成功物語』(日経BP社)によると、スターバックスに来る客は、コーヒーの味よりも、店の独特の雰囲気に惹かれてきているという。

スターバックスでは、ありふれた日常から脱却したロマンティックな空間で、自分へのご褒美的にちょっとした贅沢を味わえる。そこは、自分自身のことに集中して物事を考えることができるオアシスであり、人々に安心感を与えるのだ。そんな要素が、スターバックスの魅力なのだという。

これは確かにそうだ、と思う。スターバックスの空間に入って、コーヒーを片手にソファーにドカッと座ると、妙に落ち着く。家でコーヒーを飲むのとは、やはり違う。

しかも、言葉こそ交わしたことがないにしても、いつも顔を見かける人が店にいたりすると、「また来てるな、あの人」と、変な仲間意識を感じる。安心感か。

こんなわけで、僕はスターバックスによく行く。

しかし、値段はタイの物価からすると決して安くはない。大体カフェラテホットで約100バーツ(280円)くらい。その辺の食堂でご飯を食べると25-30バーツくらい。つまり、コーヒー1杯が、食事3食分くらいにあたるわけだ。

ということで、スターバックスでコーヒーを飲んでいる人は、身なりもそれなりで、ハイソな匂いがする。

そんななかに時折、中高生が混ざって、コーヒーを飲んでいることがある。

少し考えにくい光景だが、現在のタイ社会を感じる。

末廣昭氏がいうように、タイは現在、中進国化が進み、消費社会が到来している。タイは、経済ブームによる経済の急激な拡大と、重化学工業化、輸出構造の変化を経て、その後通貨危機を受けたにしても、消費経済自体は進展し続けているのだ。(末廣昭『タイ 中進国の模索』岩波新書・2009)

スターバックスの店舗数の増加や、そこに来る客に中高生が混ざっていたりすることは、こんなタイ社会を象徴しているのだ。

そんなことを思っていたら、雨が降ってきた。久しぶりの雨だ。

おばちゃんが、地面の水を外に排出していた。



タイにある格差を感じる。

タイでは、人々の生活に仏教が深く根付いている。



チットロム駅近くのGaysornゲイソン前に、エラワン・プームという祠がある。



ここでは、ヒンドゥー教の神ブラフマー(世界創造の神。日本では梵天)が祀られている。

金色に輝くブラフマーが、周囲の近代的な建物や、上空のBTS(スカイトレイン)と、なぜか不気味にマッチしている。

ここエラワンのご利益は、タイにおいて、ものすごく有名で、願い事が成就する確立が相当に高いらしい。そのため、参拝客はひっきりなしだ。



また、エラワン祠の敷地内では、あでやかな衣装をまとった女性たちによる、タイ伝統舞踊を見ることができる。ここで祈願をし、それが成就した人は、必ずお礼参りにやって来る。その際に、エラワンのブラフマーに対して感謝の意を表すために、伝統舞踊を依頼するのだ。

ここでボーとしていると、伝統舞踊がかなり頻繁に行われていることが分かる。どれだけの人々の願いがかなったのだろうか。すごいことだ。

ということで、ここは常に人気のある場なのだ。

しかし、かつて、ここエラワンでは痛ましい事件が起こったこともある。

2006年3月、精神をわずらった男性が、エラワンのブラフマー像をカナヅチを使って破壊したのだ。これに対し、周辺にいたトゥクトゥクの運転手や、道路の清掃作業員たちは大激怒。エラワンのブラフマー像を破壊した男性に対して集団で暴行を加え、この男性は死亡した。

この事件のあったちょうど次の日、僕はまだ事件があったことを知らないで、エラワンの前を通りかかった。エラワンのブラフマー像はシートにかけられ、何か葬式のような儀礼が行われていたので、何かあったのかな?と思った。あとで、事件のことを知って驚いたものだ。

それにしても、集団でリンチして殺してしまうとは、ものすごい信仰の深さだ。













”experience the difference”


アップルのメッセージ性が強く出ているようだ。

タイ・バンコクにはアップルiStudioが、中心地サイアムの駅の真ん前にある。昨年の7月にオープンしたばかりだ。

サイアムには多くの若者が集まり、また近くにはチュラーロンコーン大学もあってか、iStudio前を通ると、いつも繁盛している様子が伺える。

さて、BTS(スカイトレイン)サイアム駅の隣、チットロム駅のすぐそばに、”gaysorn(ゲイソン)”という高級ショッピングセンターがある。

店内は白を基調とした高級感あふれるつくりで、扱われるブランドも、グッチやプラダ、ヴィトンなどである。


正直、僕にはあまり縁のない場所だが、この付近を通りかかる際は、中を抜けていく。ま、素通りだ。

その店内の一角に、アップルの看板が出ていた。なんか雰囲気がよかった。

experience the differenceか。

ここにも、近々バンコク・アップルiStudioがオープンするのだろうか。

今日の朝、タイのニュースで、アップルがiPhoneとコンピューターの間に位置する、iPadを発表したことが流れていたので、バンコク・アップルのことに触れてみたのだ。iPad、気になるな。

ちなみに、バンコクで、2月から3Gサービスが始まるようだ。
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しゃぶしゃぶ屋。氷を入れるバケツに「永」の文字。
おしい!確かに「氷」と似てるといえば、似てるモンねぇ。

店内を見回すと、すべてのバケツが「永」の文字。

きっと何らかの本を見ながら、「永」を必死に真似して書いたのだろうなぁ。
書いている様子が目に浮かぶようだった。

微笑ましかった。

タイ人の陽気な店長さんに、この文字惜しいけど間違っていることを告げると、これまた陽気に笑っていた。

正しい字を教えて欲しいとのことだったので、教えた。
次に来たときには、正しい文字になっているかもしれない。

まぁ、でも、「永」って書いてある氷入れも、愛嬌があって、和まされて、いいけどねぇ。
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12日にグーグルが中国からの撤退を検討していることを発表し、その後21日にクリントン長官が中国のネット問題についてコメントしたことを受けて、中国政府は「米国の価値観の押し付け」、「米国のネット覇権主義」などとして猛烈に批判しているらしい(1/27産経新聞)。

中国の若者や知識人の中には、ネット規制は根本的人権の侵害というクリントン氏のコメントに同調して、グーグルを支持するものも少なくないらしい。そうした国内世論を抑えるために、中国政府は国家戦略として、米国やグーグルを批判していると産経新聞は分析している。

グーグルと中国の対立の問題は、非常に興味深い。国家と企業の間で、”情報”を軸としたこれだけ大きな争いは、これまであっただろうか。


1月27日付け発行のNewsweekの特集も面白かった。

Newsweekの国際版編集長ファリード・ザカリア、ビジネス担当ダニエル・グロス、ジャーナリストのマーチン・ジャクス、テクノロジー担当ダニエル・ライオンズの4人の論考が収められている。

ファリード・ザカリアは、論考“グーグル“民主共和国の断交警告で試される中国の民主化とグローバル化の本気度“の中で、中国が今後本気で世界における真の大国になりたいのならば、対外的な順応性を示すことが必要であると論じる。中国政府のグーグルへの対応のあり方は、中国が未来の世界の中でどのように自己を位置づけようとするのかを示すことになるとしているのだ。

これに従えば、今日の産経新聞の記事にある中国の対応は、順応性とは程遠い。

また、ダニエル・グロスは、論考“自由なき中国に潜む成長の限界”の中で、中国の現状―まだまだ豊かではなく、今後サービス産業が不可欠であり、大規模なイノベーションが必要な国であること―を根拠として、中国政府が「21世紀に繁栄を遂げるためには、優れた『ソフトウェア』が欠かせない。そして優れたソフトウェアをつくるためには、物だけでなく、情報の流通を後押しすることが必要なのだ」と述べている。

ダニエル・ライオンズは、論考“「未来」に勝てる者は誰もいない”の中で、インターネットの本質的な強さを根拠として、中国のような大国であってもそれにかなうはずがないと、はっきり述べている。

三者はいずれにせよ、ネットの可能性を高く評価しているわけだが、そうした見解と根本的に考えを異にするのが、マーチン・ジャクスだ。

彼は、“中国との戦いに勝ち目はない”と題した論考において、長い歴史をもつ中国は根本的に欧米と文化的価値観が異なることを重視し、「インターネットは思想や情報の自由な交換という文化の精髄であり、政府による制約を受けず、その利用は世界に広がっている。これが欧米の考え方だ。だが中国政府は、ネットの検閲や規制は可能だと証明している」と述べている。

中国政府は、中国がこれまで培ってきた秩序の枠組みの中でインターネットを位置づけることができると、マーチン・ジャクスは考えているわけだ。

このようにNewsweekは、グーグルと中国の問題を、多面的に扱っている。

僕自身は、中国が今後世界において存在感をこれまで以上に示したいのだとすれば、グーグルに関する今回の中国の対応は疑問に思う。

歴史的にみても、これまでの先進国の繁栄は、権威主義から資本主義にゆるやかに移行したことにあるわけで、中国政府が頑なに行っている権威主義を基にした情報統制は、その文脈から捉えると、果たしてどうだろうかと思うのだ。

また、情報規制の問題は、クリントン氏が言うように、今後の世界の未来像をどう描くのかということと密接に関わる。つまり、開かれたインターネットの繁栄は、皆が共有しえる知の集合体を有した一つの世界社会になる可能性をもつ未来像が描けるのに対し、各地域によって情報が規制されたインターネット社会においては、まるで世界が分裂した惑星のような状態の未来像が待っているということである。

今の我々が、どういった世界に魅力を感じるか。ワクワクするか。それは当然、前者のような未来像じゃないだろうか。

ただ、中国は、いわゆる我々の常識では通じないようなやり方を平然とやってのけるところが 昔っからある。タイにいる中華系にしても、他国にいる中華系にしても、なかなかの歴史的経緯をもってして、社会に存在感を示してきた。そうした彼らの潜在能力が、怖いといえば怖い。

グーグルと中国の今後の成り行きが楽しみだ。

ところで、ちょっと今回はタイのこととはあまり関係なくなってしまった。

そして、長すぎた!
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屋台で晩飯を済まし、夜道をブラブラと歩いて帰る途中、揚げパンを売る屋台が。

ここの揚げパン屋台。昔からたまに買っては食べる。カリッとしていて、美味しい。豆乳につけて食べるのが、一般的だ。タイの豆乳は、甘い。

とても美味しい揚げパンなので、どんな油を使って揚げているのかということは、深く考えず、言及しないでおこう。

僕が行ったときは、たまたまおじちゃんが生地を練ったり切ったりしていた。
注文したパンをおばちゃんが袋に詰めている間、職人芸だなぁと、ついついおじちゃんの動きに見入ってしまった。

帰り道、どうしてもトイレに行きたくなる。幸い、トイレの場所を知っていたので借りる。

いつものことながら、タイ式のトイレで用をたすとなると、女性は大変だなと思う。紙はないし、なにより、きっと便器のふちに足をのせて用をたすのだろうが、滑りそうで怖い。もし滑ったとしたら、悲惨すぎる。

その点、男は楽だな、などと思いながら、夜風にあたった。気持ちがいい。
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ようやく、目的地、中国の土地神の祠、”サーンヂャオ・ポースア”へ到着。

”スア”は虎の意味。虎にまつわる中国の土地神で、今年は寅年ということもあってか、かなりの人でごった返していた。

中へ入ると、まず目に飛び込んでくるのは、中国の劇である。



ほーと思いながら、写真を撮っていると、演者がやたらと僕を見つめる。あんなバリバリの化粧をした、まるで三国志にでも出てきそうないでたちの人間に見つめられると、正直恐ろしくなる。

写真は撮っちゃいけないのかもしれないなぁ、などと思いながら、逃げるようにそこを後にして、中へと進む。

中もまたすごい人だ。しかも線香の煙で視界も悪い。目にしみる。

とはいえ、とりあえず線香をあげるなどの儀式を済ます。

そして、あらかじめ買っておいた豚の生肉などの供え物を、係りのおっちゃんに渡す。

するとおっちゃんは、その生肉を祭壇に安置されている虎の像に食べさせる素振りをしながら拝礼した。虎へのお供え物というわけだ。

その様子を写真におさめていたら、後から係りのじいさんに止められた。やはり、写真撮影は駄目だったようだ。三国志の人びとが僕を見つめたのには、理由があったということか。

じいさんに詫びをし、そのまま外に出ようとするが、これが人ごみでなかなか出ることができない。しかも皆が手に長い線香を持っているもんだから、危険でしょうがない。

熱気もすごい。汗が噴き出る。

やっとの思いで出口まで着くと、ちょうど、とあるばあさんが、入り口に差し掛かっていた。ばあさんは、中に一歩足を踏み入れるや否や、「なんか臭いし、やたらと煙い」を連発。係りのおっちゃんに対し、かなりのしかめっ面で「換気をしろ」と文句を言っていた。

神聖な場所でそんなに怒らなくても、と少し切ない気持ちになった。

虎のご利益がたくさんありますように。
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生き埋め伝承のラックムアン(聞こえが悪いか)を後にし、次の目的地である中国の祠、サーンヂャオ・ポースアへ。

途中、一体誰が購入するのだろうと思うようなものが数多く売られている露店が、沢山並んでいた。そんな中には、レトロなレコード屋や本屋があったりもした。

レコード屋には、ターバンをまいた人と、西洋の人が必死にレコードを探していた。何を購入したかったのか、気になるところではある。

所狭しとレコードが並び、「小さな花」で有名なシドニーベシェの日本版のレコードが置いてあったりした。


店の看板が、なかなか、かわいらしい。書いてある文字を直訳すれば、”原本を売る店”。確かに音楽の原点はレコードか・・・。

レコード屋の前には、なぜかやたらと沢山の種類の虫眼鏡なんかを売る露店が出ていた。


まぁ確かに、虫眼鏡も原点といえば原点。
まさかそのスタンスでこの辺の露店は出店してるのかと少し感じる。でもすぐに、そんなわけは無いと自分に言いきかせて、目的地サーンヂャーオ・ポースアを目指した。

道が分からなかったので、ついでに虫眼鏡売りのおばちゃんに聞いといた。なぜ虫眼鏡をこれだけ売っているのかについては、聞けなかった。
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バンコクにあるラックムアン(国礎柱)。
生き埋め伝承が伝わる場だが、現在はきわめて平和な時間が流れていることは、昨日書いたとおりだ。

ラックムアンのあるお堂の周りの様子も、少し書いておこうと思う。

まず目に入るのは、小さな柱に皆がなにやら布を巻きつけているところ。


神聖な柱に布を巻きつけて、願いをこめる。相当なご利益が期待できる。

また、近くには、誕生日の各曜日を守護する仏像を拝む風景が見られる。タイ人は、自分が生まれた曜日を勿論知っているし、その曜日を守護する仏を拝む慣習をもつのだ。

仏像の前には、油の上に浮かぶ火が絶えることなく揺らめいている。人びとは仏像を拝んだ後、油を注ぐのだ。

さて、他に目に付くものといえば、タイ式のおみくじである。

幾本もの棒が入った円筒を上下に振って、一本のみをふるい落とす。落ちた棒に記載された番号と同じ番号のおみくじを、棚から取り出して占うのである。

その模様は動画にアップしてみた。




動画の女性は、一本の棒が出るまで、すごく時間がかかっていた。
いい結果が出たかどうか、そこまでは確認していない。
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国を守護するラックムアン(国礎柱)が建設されたとき、たくさんの人びとが生き埋めにされたという伝承がある。

ラックムアンを建設する際、城門建設予定地を通りかかった人は、突然、役人に「イン、チャン、マン、コン」と声をかけられた。それに対して通行人が返答した場合、有無を言わずにラックムアンの場所に生き埋めにされたのだ。

それは、犠牲者の怨霊が、ねんごろな供養を受けることによって、この世を守護すると信じられたからである。怨念が強ければ強いほど、国を守護する力も強まるのだという。


そんなちょっと恐ろしく悲しい伝承をもつラックムアンだが、現在は平和そのものだ。多くの人びとが参拝に訪れている。引っ切り無しだ。

ラックムアンは、小さなお堂内にある。




金色に輝く2本の柱がそれであり、長いほうは、ラーマ1世がトンブリーからバンコクに遷都した際に建てた。短いほうのラックムアンは、ラーマ4世によって建てられた。

ラックムアンは男性性器を象徴しており、参拝に訪れる人びとは、豊穣や現世利益の願いをこめるという。

すぐ近くにある王宮寺院(ワット・プラケーオ)は、仏教的な色彩が濃く、きわめて国家的な寺院であるのに対して、こちらラックムアンは、土着信仰に基づく、きわめて現世的、個人的なものなのだ。

たくさんの人びとが犠牲になったラックムアン。そんな悲しい話があったことが信じられないほど、ゆったりとした平和な時間が流れていた。

しかし、日本人である僕に、必死に詐欺をはたらこうとするタイのおばちゃんが付きまとってきたのには、まいってしまった。ATMがどうとか、足を怪我しててお金がどうとか、早口な日本語でまくしたててきた。満面の笑みで。

そこだけは、平和な時間ではなかった。


参考:友杉孝『バンコク歴史散歩』河出書房新社・1994年