イサーン・ウボンラーチャタニー県に到着




いつものバスよりも至極快適なナコンチャイエアー社のバスに揺られること、7時間あまり。目を覚ますと、すでに日が昇っていた。時計の針は6時半をさしている。もうすぐウボンラーチャタニーの町だろう。



バスの車窓から眺める村々では、村人たちの新しい一日がすでに始まっていた。

かまどに火をつけているのが見える。おばちゃんがこれから朝食づくりでもするのだろう。

上半身裸の男性が家から出てきて、大きく伸びをしている。起きたて丸出しだ。

鶏はせわしく村を歩き回り、犬はごろりと寝転がっている。

村の朝は、一様に早いものである。


僕がしばらく窓の外の村々を眺めていると、隣に座っていたおばさんが、「日本人か?」と話しかけてきた。「そうです」と答えると、「なぜウボンにいくのか、ウボンに恋人でもいるのか?」と問いかけてきた。

僕が、ウボンラーチャパット大学で用事があることを説明すると、おばちゃんは「そうか」と言ったきり、それ以上聞いてこなかった。

大学のことは興味がなかったようだ。ウボンに残した最愛の恋人と1年ぶりの再会なのです・・・、などとドラマティックな大嘘をついて、その場を盛り上げたほうがよかったのだろうか。タイ人はドラマ性が好きだ。

まぁ、それはさておき、バスは村々を抜けてようやく町らしい場所に入り、7時45分、ウボンの町のバスターミナルに到着した。

とはいえ、バスの乗客全員が降りているわけではない。どうやら次の停留所もあるようだ。

ので、とりあえず町の中心かと思われるトゥンシームアン公園に行きたい旨をバスガイドに告げて、ここで降りるべきかを尋ねた。バスガイドは朝から素敵な笑顔で、「ここで降りて、10番か11番のソンテウに乗るように」と教えてくれた。

リュックを背負ってバスを降りると、お決まりのようにトゥクトゥクの運転手からの誘いがくる。だが、ソンテウで十分だったので、トゥクトゥクの誘いを笑顔で断り、ソンテウに乗り込んだ。

ちなみに、ソンテウとは、小型トラックを改造した乗り合いバスのことである。タイの地方都市では、ソンテウが大活躍し、皆の足となっている。


<ソンテウの車。このソンテウには「ม」の文字が記載されている。ほかにも10や11などの番号が記載されたソンテウがあり、その番号や文字によってルートが変わる>


<ソンテウの車内の様子。車内というより、半屋外といえる>


さて、僕が乗り込んだソンテウには、朝8時前ということで、学校に向かう子供たちが多く乗っていた。ソンテウは停留所というものはなく、どこでも留めて、乗り降りすることができる乗り物。ということで、いろいろなところから次から次へと子供たちが乗ってきた。少々鬱陶しい。

ソンテウから町を眺めると、沢山の食堂や屋台が始動し、町はにわかに活気づいてきていた。ワクワクし始める。

僕は、タイでの旅では、たいがい夜行バスを利用し、旅先には朝に到着するパターンが多い。そこで、いつも思うのだが、到着したときの朝の感じはなんともいえず、気持ちがいい。体は、夜行バスの疲れでかなりだるいのだが、気持ちは適度に高揚しているのだ。朝の景色が妙に新鮮に感じる。

しかし、今回はそんな悠長なことは言ってられない。先生との約束の時間は迫っているのである。これから宿探しもしなくてはいけない。

それでも、「それはさておき、やっぱり旅先の朝はいいなぁ」なんてのん気に思いながら、半笑いでトゥンシームアン公園付近に向かった。



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